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日本下水道新聞-最新の社説・解説

首長と危機感共有すべき

2007年06月20日

日本下水道協会・地方支部総会における会員提出問題の討議が迫力を欠くようになり、提出問題の全議題を一括提案し、スケジュール通り整然とすすめられる光景が珍しくなくなった。総会の運営が成熟したということであろうが、活力がないと誤解されかねない。
 地方支部総会は正会員、賛助会員等が下水道事業をめぐる情報を共有し、問題(課題)解決へのステップとすべき貴重な機会でもある。早急に解決すべき問題がないのであればいいが、実体は「事業費の確保」「更新改築事業への補助拡充」「市町村合併に際しての国庫補助対象範囲の取扱いの緩和」「下水道における維持管理情報の共有」など山積している。
 老朽劣化による下水道管の道路陥没問題は、ライフライン機能の保持はもとより、市民の安全・安心に直接かかわる事柄であり、また線路下、幹線道路下にも縦横に下水道管が走っていることから、一つ間違えば大惨事を引き起こしかねない。
 安全安心と環境が社会的テーマとなっている今日、下水道の普及と健全な維持管理に「鈍感」は許されない。事業推進や更新改築の必要性を認識しつつ、財源事情を理由に問題解決を先送りすることも許されない。下水道に寄せる市民の負託は、必ずしも低料金ではなく、社会生活、社会環境に見合った適正な料金体系であり、行政が情報開示によって透明性を担保し、説明責任を果たすことであろう。そのなかから市民との協働も芽生えるのではないか。
 国土交通省の江藤下水道部長は5月31日に滋賀県長浜市で開催された関西地方支部総会の意見交換会で飛び入りでスピーチをし、「今は大事な時期であり、市町村合併による国庫補助対象範囲の取扱いなど大きな問題を抱えていることを、出席できなかった市町村にもお話いただき、問題解決に向けた積極的な活動をお願いしたい。それによって皆さんの要望が満たされるかどうかが決まってくる」と強調。国としては、あくまで地方公共団体の声を重視した政策を構築していく姿勢を示した。
 下水道事業は、次期5ヵ年計画である社会資本整備重点計画の策定を来年度に控え、歴史的な岐路に立っている。国民が願っている安全な暮らしや良好な水環境の創造、さらには地球環境の保全という重要な役割を担っていることを深く認識し、首長が率先して要望の実現をめざすべきであろう。それには下水道担当者が国の財政支援メニューをもう一度検証し、首長地域で起こっている問題、これから起こりうる危険性きちんと説明すべきだ。下水道は国民のライフラインであり、安定的なサービスの持続性が求められる。将来への備えを今からするべきだ。(日本下水道新聞 1870号)


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