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忙中閑話 レコサール工業会会長に就いた 入江 俊介 氏
2009年02月04日
〝高い志を持って〟

石油精製過程で生じる硫黄。国内で年間200万㌧に上る。これまで多くは肥料として中国へ輸出していた。しかし近年、中国で石油需要が急増し輸出量に陰りが見え始めた。国家戦略として新たな有効利用策の確立が焦眉の急として浮上するなか、石油元売り大手の新日本石油が世界初の硫黄コンクリート「レコサール」を実用化、新たな硫黄資源化に道筋をつけた。耐酸性に優れ、物性も普通コンクリートの倍以上という夢の土木資材。
その本格的な有効利用が動き出す。佐賀県武雄市にあるコンクリート二次製品メーカの不二コンクリート工業の入江社長が新日本石油と共同で世界初の二次製品適用にめどをつけた。昨年11月に製造プラントを同社内に竣工し国内外から注目を集めた。自身もレコサール工業会会長に就任した。
入江社長は2年ほど前に偶然、レコサールの存在を知ったという。その後、機会を得て新日本石油室蘭精油所にある製造プラントを視察した。「一見、コンクリート。しかし性能は段違い」。未知の素材に衝撃を受けた。
後日、同社の企業理念や経営方針を高く評価した新日本石油から共同事業化の話が舞い込んだ。地方財政は、逼迫し公共事業の見通しも芳しくないが迷いはない。「直感的に事業化を決めた」。
もともと同社DNAには「技術革新」の文字が刻まれている。これまでも先進的な技術を導入してきた歴史がある。パイオニア精神旺盛な社風。技術陣もコンクリートのみならず電気、機械など各分野の専門家が在籍。自前で工夫改善する現場力と、物づくりに対する並々ならぬこだわりを持つ。
ただ、今回は世界初の取り組み。そこで全社員を前にレコサール導入を宣言。偉丈夫なうえ普段から寡黙な入江さん。一言の重みを知る社員は、経営者としての覚悟はもちろん、事業化に懸ける強い想いを感じ取った。社員は一丸となり、タイトな日程のなか「製造技術確立とプラント稼動」を実現して見せた。
1月1日付けでパイプと人孔が下水協認定適用資器材に登録され初物件も受注した。しかし入江さんは、微塵の慢心も見せない。良質製品の安定供給を第一義に据え、製造システムの改善に日々取り組んでいる。しかも「高い志を持って」。
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