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主張 下水道既設管路耐震技術協会会長 宮野川 繁男氏
2009年08月26日

人孔浮上を間近で目撃
「地震後20秒ほどかけて人孔が浮き上がってきた」。平成7年に発生した阪神淡路大震災を震源地近郊で体験した宮野川さん(日本ヒューム常務)は、液状化により崩壊した橋や電柱とともに人孔浮上を間近で目撃していた。今年4月に下水道既設管路耐震技術協会会長に就いたことも、何かの宿命か。
当時、芦屋市の社宅で単身赴任していた。5時47分地震発生時は就寝中。「爆発音と聞き間違えた」ほどの衝撃があり、ベッドごと横方向に揺さぶられた。宮野川さんは関東人、地震になれていたはずが「あれは地震ではない」と振り返る。
目前で、西宮市との市域を隔てる河川に掛かる橋が液状化によって落橋。見慣れた風景が激変するなかで、ただごとではないと感じた。情報が集まるに従い、被害の大きさに身震いしたことを刻銘に記憶している。
社命を受け、被災後すぐに同社が納入した組立人孔とヒューム管の状況把握に乗り出した。液状化被害の出たポートアイランドや六甲アイランドにも出向いた。
地上被害に比べ地下構造物の管路は「土砂が詰まっていたが、地盤と一緒に動き被害は思ったほど大きくなかった」。破損ヵ所は管きょと人孔の接合部に集中していた。「一方が抜け出すと、もう一方が突き出し破損することが摂理」と分かった。また人孔浮上は、地下水の豊富な場所などで多く見受けられた。
この検証結果から同協会では、人孔浮上抑制と管抜け出し・突き出し対応を必須条件に技術確立してきた。宮野川さんは、今でもあの大震災を防ぐ抜本的な対策はないと考えている。しかし「少なくとも安心は買うことができる」と断言する。被害を予測し最小限にとどめる不断の努力こそが、下水道に携わる関係者の責務に他ならないと感じている。阪神淡路大震災でも発生後数日してから、下水道機能停止の影響が出始め、自衛隊が持ち込んだ簡易トイレに長蛇の列ができた情景を今でも鮮明に覚えているからだ。
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