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忙中閑話 日本ヒューム社長に就いた野村 靜夫氏
2009年10月21日

奇をてらわず着実に
大正12年創業の日本ヒュームは、業界トップメーカとして下水道事業と関連業界の発展に顕著な功績を残してきた。推進管を独自開発し特許を公開したのは有名な話。昨年度には連結売上高が過去最高を達成するなど、〝老舗企業〟でありながらイノベーションを繰り返し、発展への歩みは止まらない。今年6月トップに就任した野村さんも「奇をてらった業界ではない。一歩ずつ着実に、継続的な発展に挑む」と気負いはない。
実は野村さん、40代のとき、社命でヒューム管型枠メーカへ社長として出向。「サラリーマンが一夜にして社長」になった。技術屋でありながら孤軍奮闘、実践で経営を学んだ。香港子会社の社長時代には、大規模な人員削減を実施。香港元朗工場には日本人は野村さんだけ。言葉も満足に通じないなか、辞めて貰う人も残って貰う人も「オールハッピー」で見事ミッションクリア。それ以外にもくぐり抜けた修羅場は数知れず。だから大抵のことには「モーマンタイ(問題なし)、なんとかなるもの」と飄々と。
ところが現下状況は、下水道事業費の削減に伴い、シュリンクする管材市場が業界再編という地殻変動も誘発する混迷の時代。市場では少ない牌を取り合う不毛な価格競争が横行。その渦中にありながら成長を続ける同社。時代の先を見据え「メーカの宿命」技術開発に注力し事業領域の拡大に邁進し、「メーカの責務」品質向上とコスト低減を実践してきた成果だ。
現に下水道市場向けには、改築更新分野を中心に管路診断・更生、耐震化工法、合成鋼管など優位性の高い新商品・新技術で市場をつくり、それぞれが利益を上げ始めている。
野村さんは、さらに一歩すすめ「営業領域の拡大も必要だ」と指示。新たな事業領域開拓を視野に入れての発言で、「情報の収集・管理を磨き、適格にニーズを捉え、タイミング良く事業化することが肝要だ」と時代に流されない地に足をつけた対応を求めている。
一方で、鳩山新政権の動向には関心を寄せている。最低賃金3割アップの公約に対しては、これまで積み上げてきた原価低減策が水泡に帰する可能性もあり、「適材適所の人材配置・管理の適正化」を要請。温暖化ガス25%削減では「産業界にとってダメージが大きい」と苦言を呈しながらも「ビジネスチャンスでもある」と見ている。
景気の底は未だ見えないが、好調な国内民需の大口径パイルに加え、中国、タイ、インドネシアに展開する海外事業も順調に推移している。奇をてらわず、やるべきことを粛々とこなしていれば、自ずと結果が付いてくることを連綿と続く同社の歴史が教えてくれている。
〈略歴〉
昭和46年3月工学院大学機械学科卒、同年4月に同社入社。平成13年熊谷工場長、翌年には取締役熊谷工場長兼技術研究所長。同15年に常務取締役経営企画部長兼管理本部長、同19年に専務取締役経営企画部長兼管理本部長、不動産・環境関連事業部長を経て、今年6月現職に。昭和24年3月生まれ60歳。東京都出身。
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