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雑司ヶ谷幹線再構築工事事故調査報告書(抜粋)
2008年09月24日
はじめに
平成20年8月5日に発生した雑司ヶ谷幹線再構築工事での事故は、5名の死者を出す痛ましいものとなった。当局は直ちに、「雑司ヶ谷幹線再構築工事事故調査委員会」(以下、「委員会」という。)を局内に設置し、事故原因の究明と再発防止策の検討に入るとともに、緊急的に安全点検を行った。この度の事故は、大雨警報発令前の突発的な局所的集中豪雨、これまでの安全対策で想定していなかった豪雨により発生した事故であった。委員会は、これまで5回開催され、現地調査、関係者へのヒアリング、施工計画書などを基に事故原因の究明等にあたってきた。今般、委員会として調査結果をまとめたのでここに報告する。本報告の事故再発防止策を確実に履行し、安全管理を行うことによって事故防止に万全を期すよう強く求める。
1.工事概要
2.事故概要
3.事故原因の究明
4.事故後の緊急安全措置
5.事故の再発防止策
(1)対象とする工事
雨天時に、雨水の流入・増水による影響を受ける地下工事等とする。
(2)突発的な局所的集中豪雨への対応
1)作業中止の基準
突発的な局所的集中豪雨に対しても工事の安全管理に万全を期するため、新たな作業の中止基準を定める。
なお、気象情報については、注意報および警報の対象を大雨、洪水のいずれかとする。
①作業開始前
・当該施工ヵ所に、一滴でも雨が降っている場合、作業は開始しない。
・当該施工ヵ所に係る気象区域に、注意報または警報が発令されている場合、作業は開始しない。
②作業開始後
・当該施工ヵ所に、一滴でも雨が降れば、即刻作業を中断し、一時地上に退避する。
・当該施工ヵ所に係る気象区域に、注意報または警報が発令された場合、即刻作業を中断し、一時地上に退避する。
・退避に際しては、作業中の資機材を放置する。
③作業開始・再開の条件
作業の開始および再開にあたっては、次の3項目のすべてが確認されることを条件とする。
・当該施工ヵ所に雨が降っていないこと、また、当該施工ヵ所に係る気象区域に、注意報または警報が発令されていないことが確認されること
・管内の水位を計測し、事前の調査に基づく通常水位と変わらないことが確認されること
・作業着手前の安全確認について、施工計画書に定める事項のすべてを完了すること
2)気象情報を迅速に把握するシステムの構築
3)退避計画作成の義務化
4)流下防止対策の実施
5)気象講習の実施
6)対策に要する経費について
おわりに
今回の事故を受けて、当調査委員会は発注者の立場から考えられる限りの安全対策を講じることとしたが、多岐多様な下水道工事を発注している実態から、どうしても対策が総論的・一般的な内容に留まらざるを得なかったことは否めない。請負者は安全管理の第一義的責務を果たすべき者として、都民などの第三者はもとより自社の従業員をも含めて、安全管理に最大限配慮する責任がある。委員会が示した安全対策が、発注者の立場からすべての工事現場で遵守すべき最低限の共通事項であるとの認識の下、請負者は個々の工事内容や工事現場の特性はもとより、従業員の年齢・体力などにも十分に配慮して、より具体的で確実な安全対策を講じるよう努めて欲しい。「現場は生きている」のであり、今回の委員会が示した安全対策を土台として創意工夫を凝らし、個々の現場に最適な安全管理を盛り込んだ施工計画書が作成され、着実に実行されることを強く要望したい。
「都民の安全・安心」に寄与する都市インフラとしての下水道が、真に都民に信頼される「下水道事業」になるために。
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