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解説 道州制と水道事業㊤ 先行モデルに北海道 内閣、自民党 実現を支援
2008年02月07日
1月24日開かれた日本水道協会理事会の席上、厚生労働省の山村尊房水道課長から「道州制特区の北海道から、水道事業の認可、指導監督の権限移譲の提案がなされた。今後、日本水道協会とも相談し適切に対処したい。道州制は水道事業においても大きな課題」という趣旨の情報提供がなされた(=1月31日付1面既報)。平成の大合併が一段落したことで、各方面で道州制に関する議論が活発化しているが、今回の道からの提案は、国・道州・基礎自治体の役割分担を中心に「道州制と水道事業」に関する水道界における議論の本格化を促すきっかけになろうとしている。北海道からの提案の概要、地方制度調査会答申を始めとする各方面の提言、報告の骨子を紹介した上で、それを踏まえた道州制の下での水道事業、水道行政の方向を探ってみた。
■地方分権推進の大きな流れ
道州制については、一国の「国のかたち」に関わる
重大な議論であるにもかかわらず、現段階では、国民的議論という面では今ひとつ盛り上がりに欠け、議論についても賛否両論が飛び交っているのも事実だが、太田正作新学院大学総合政策学部教授が本紙のインタビュー(=1月7日付1面)で「市町村合併と道州制を何か別物のように考えるとこれは大きな間違いで、要するにセットです。(中略)市町村が合併して、その後それがオールジャパンとしてどうなっていくのかというと、実はそれは道州制に繋がっているのです」と指摘しているように、地方分権推進の大きな山、いわば本丸として平成の大合併の先に控えていることは間違いない。
昨年6月14日、自民党道州制調査会がまとめた第2次中間報告でも、今後について「今後3年以内に策定される政府の道州制ビジョンや、現在進められている新たな地方分権改革の進展などを踏まえて、その後3~5年を目途に道州制推進に関する基本法の制定や実施計画の策定等を行い、その後2年程度の準備期間ののち完全に道州制に移行することが考えられる」との展望が示されている。
■北海道からの提案
昨年4月、北海道を特定広域団体とする「道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律」(道州制特区推進法)が施行された。道では、調理師養成施設の指定など同法に基づき移譲が可能と認められた五つの事務・事業について道州制特別区域計画を策定、同じく4月にスタートさせている。計画期間は平成23年度までの5年間で、2級河川に係る直轄事業などさらに3事業についても平成22年度から事務・事業が道に移譲されることになっている。
同法は、あくまで「将来の道州制度の検討に資するため」との位置づけ。北海道はその先行モデルとなるもので、計画に基づく取組みを成功させ、成果を全国にPR。道州制に関する国民的議論を盛り上げるなどの狙いがあり、内閣に、道州制特別区域推進本部、内閣府に道州制特区推進担当室がそれぞれ設置され、その活動を支援している。
北海道またはこれに準じる広域団体を特定広域団体と位置づけ、その提案を踏まえて国からの事務・事業の移譲を徐々に進めて(積み重ねて)いく仕組みで、政府が基本方針を閣議決定し、特定広域団体は特例措置の範囲の見直しなど基本方針の変更を提案できる。提案を受けた国(道州制特別区域推進本部)は内容を検討、施策の総合調整を行い、必要に応じ基本方針の変更や法令改正を行う。
この仕組みに基づき道では、道知事の諮問機関「北海道道州制特別区域提案検討委員会」から知事に対し、水道分野を含む3分野5項目については国から道への権限移譲を国に提案することが適当、との答申が昨年10月3日出されたのを受け、道議会での議決手続きを経て同12月19日、内閣総理大臣あて基本方針の変更を提案した。
水道事業者および水道用水供給事業者の認可、指導監督等の権限は人口要件、給水量要件等の規模に応じ
国と都道府県に分担されているが、これを廃止し、道内の水道事業者等の認可、指導監督権限についてすべて道に移譲すべきとの提案で、併せて、国が現在実施している道内水道事業者等に対する権限と指導に関する経費(事務費・人件費)についても、同法に基づき交付金として財源を移譲するよう求めている。
「緊急時に現地で速やかな指示が行えない」「道に監督権限がないため、平時において当該水道事業者の現状把握ができない」などの課題を挙げ、「地域住民のライフラインである水道は、身近な北海道が指導監督すべき。それにより、迅速できめ細かな対応が可能になる」としている。ちなみに平成17年度末現在、道の所管は82カ所(144万人、26%)、国の所管が23カ所(403万人、74%)、企業団は国所管4、道所管1となっている。
先の自民党道州制調査会の第2次中間報告では、今後の展望の中で「道州制特区制度については、北海道からの積極的な提案を期待するとともに、北海道からの提案を真摯に受け止め、道州制の先行モデルが実現するよう全力をあげるべきである」と強力な支援を謳っており、今後、今回の提案の方向で施策の総合調整や基本方針の変更へと進む可能性が高い、つまり、道州制下における水道事業に関する国と道州の役割分担の先行モデルが提示されることになると見てよいだろう。
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