水道業界EXPO ’25

東亜グラウト工業株式会社

キーワード
  • アイスピグ
  • 濁水
  • 漏水検知
  • AI
  • 管路劣化予測

管路マネジメントを最適化 「管路のお医者さん」に
アイスピグ管内洗浄工法/アステラ/アセットアドバンス

管路グループ アイスピグ事業部長
結城 啓治氏

 東亜グラウト工業では、全国の水道事業体が抱える管路管理の課題に対し、ワンストップで綜合的なソリューションを提供できる体制を整えています。〝診断(点検・評価)―処方(計画)―治療(工事修繕)〟というサイクルの中で、まるで医療のように一貫したマネジメント支援を目指し、当社は〝管路のお医者さん〟というコンセプトのもとで展開しています。
 この体制の中核を担うのが、衛星データ解析で漏水を検知する「アステラ」、AIにより更新計画策定を支援する「アセットアドバンス」、そして独自技術である「アイスピグ管内洗浄工法」です。これらを組み合わせることで、埋設インフラの可視化から判断・処置までを一貫して実施でき、データを活用することで現場主導から科学主導への転換を促進します。

■漏水を効率的に見つける

 アステラは、衛星から照射されるマイクロ波が地中に浸透し土に混じった水道水による反射波の特性を衛星データとして取得・解析する、特許取得のリモートセンシング技術です。当社は国内正規代理店としてこの技術を日本国内で展開しており、これまでの調査において、衛星が検知した漏水疑い箇所の多くで現地調査により実漏水を発見しています。従来の網羅的な調査に比べて調査効率が大幅に向上し、調査コストの最適化にも貢献しました。限られた予算で成果を求められる流れの中、アステラの価値は今後さらに高まると期待されます。

■更新計画の質を上げる

 アセットアドバンスは、管路属性や漏水履歴、施工年などのデータをもとにAIが劣化を予測し、将来の更新優先度を提示する解析支援ツールです。これは数百万通りの更新パターンを生成・評価し、条件に応じて数万に絞り込む「遺伝的アルゴリズム」の活用が特徴で、評価基準や優先順位の決定プロセス、重視パラメータ(漏水リスク・交通影響・工事コストなど)などすべて明示することができます。説明責任が求められる自治体業務においても高い信頼性を持ち、これまでの属人的な判断から、データに基づく客観的な意思決定への移行を支援します。

■洗管による延命

 アイスピグ管内洗浄工法は、特殊な氷の塊を管内に流して物理的に研磨することで、従来の洗浄法では除去困難だった堆積物も高精度に除去できる特許技術です。すべての老朽管が即座に更新できるとは限らず、更新の要否が判断しづらいケースも多く存在します。そのため、とくに赤水や閉塞の懸念がある場合には、更新前の“延命策”が有効です。通水性の回復により、更新を先送りできた事例もあり、費用対効果の高い手法として全国で評価されています。

■地域に寄り添うマネジメント支援

 地域ごとの実情に合わせた最適なマネジメントには、データが示す客観的な情報と、現場で培われた経験に基づく判断の統合が不可欠です。これにより、既定の定型業務を繰り返すだけでなく、状況に応じた適切な選択肢を検討し、効果的な運営へと繋がります。
 当社は今後も、衛星による漏水検知や管路更新計画の策定支援、洗浄による管路の延命を推進し、「管路のお医者さん」として一体的な支援で、全国の水道インフラ課題の解決に貢献してまいります。

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