屋外配管・異種金属配管接続の耐震化に
マルチガスケットPlus
久保 克史氏
■あらゆるフランジに対応
ガスケットは、配管フランジなどの接合部に挟み込み、接合部からの流体の漏れを防止する固定用シール材です。今回紹介するマルチガスケットPlusは、好評発売中のマルチガスケット同様、ステンレス製の芯金をゴム材でライニングした耐震補強部材です。ガスケット面に環状の突起と溝を設けることでシール面の面圧を高め、止水性を向上させています。芯金を内蔵することで地震時などにフランジ接合部が変形してしまった場合でも、ゴムが外側に逃げにくくなり、漏水リスクの低減につながります。
また、1枚でGFフランジとRFフランジに対応可能な形状のため、GF形―GF形、GF形―RF形、RF形―RF形など、あらゆるフランジ接続に対応できます。GFフランジへの接続時には、ガスケットの突起が溝には嵌まり込むことで容易にセンタリングが可能です。また、水平配管では、使用圧力が記載された取っ手を持ち、垂直に下ろすだけで位置を合わせることができます。
呼び径50~400までを取り揃え、125以上であれば2カ所の基準穴をフランジのボルト穴に合わせることで全てのボルト穴が一致する設計となっています。これにより施工時間の短縮にも貢献します。
■耐候性・耐久性が向上、異種金属配管にも対応
マルチガスケットPlusは、マルチガスケットの構造的特性を引き継ぎつつ、ゴム素材に水道用ソフトシール仕切弁などに使用される耐塩素性EPDMを採用した点が大きな特長です。耐塩素性EPDMは、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性、耐老化性、耐寒性に優れています。
水道用ソフトシール仕切弁のJWWA規格(B120)に基づくゴムの耐塩素性試験では、28日間の浸漬処理後に劣化レベル3以下であれば合格とされていますが、耐塩素性EPDMは既定の3倍以上となる90日間の浸漬処理後でも劣化レベル1という結果を示しています。また、加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのJIS規格に基づく静的オゾン劣化試験においても、亀裂の発生は見られず、優れた耐候性を有していることを確認しています。
これらの試験結果から、紫外線などによる劣化を防ぎ、屋外配管においても長期間安定して使用することが可能です。また、工業用水や塩素濃度が高い配管にも適応します。さらに、耐塩素性EPDMは優れた電気絶縁性を有しているため、ダクタイル鋳鉄管とステンレス鋼管などの異種金属配管絶縁ガスケットとしても接続できるようになりました。
■緊急時の備えとして
マルチガスケットPlusは、同一口径であれば呼び圧力7.5~20Kまで適合する設計のため、異なる圧力規格のフランジに遭遇した場合でも柔軟に対応できます。古い配管では、図面と実際の圧力規格が異なっていたり、掘削して初めて仕様が判明したりすることも少なくありません。そうした場面でも幅広く対応可能なため、備蓄用として確保しておくことで緊急対応の際にもとても有効です。
販売から数年が経過していますが、屋外配管や異種金属配管の接続など、全国の現場で採用実績を重ねています。
1枚であらゆるフランジに対応し、耐塩素性・耐候性が向上したマルチガスケットPlusを耐震補強部材の選択肢の一つとして採用をぜひご検討いただければと思います。
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